お盆とは、そもそも何なのか。知っているつもりで、実は知らないこと

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お盆とは何か。知っているようで、知らない由来と風習

*公開日: 2026年7月23日*
もうすぐ8月がやってきますね。今年、2026年の夏も、スーパーの入り口にそうめんや盆提灯がそっと並び始めると、なんとなく「あ、そういう季節か」と思います。けれど、お盆って本当はどういう行事なのでしょうか。ちゃんと説明できる人は、意外と少ない気がします。
私も正直、実家に帰って仏壇に手を合わせる、それだけをずっと「お盆」だと思っていました。でも少し調べてみると、その奥には千年以上前からの物語があって、地域によって驚くほど違う風習があって、「なるほど、そういう意味だったのか」と思う小さな逸話がいくつも隠れていたんです。
今日は、お盆そのものに向き合ってみたいと思います。

盂蘭盆会という、少し難しい名前の由来

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お盆は正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれています。この言葉、サンスクリット語の「ウランバナ」が語源とされていて、「逆さ吊りの苦しみ」というような意味を持っているとされています。
仏教の説話によれば、次のような由来があるとされています。お釈迦様の弟子だった目連(もくれん)という人が、亡くなった母親が地獄で苦しんでいる姿を見てしまう。どうすれば救えるのかとお釈迦様に相談したところ、「多くの僧侶に施しをして供養しなさい」と教えられ、そのとおりにしたところ母親が救われた。そうした物語が、盂蘭盆経というお経に記されています。
そこから、旧暦7月15日に先祖の霊を供養する行事として広まっていきました。日本には仏教とともに伝わり、もともとあった祖霊信仰(先祖の霊を敬う考え方)と結びついて、今の「お盆」という形になっていったと考えられています。
7月15日を中心に行うのは、実は一部の地域だけ。ここが、お盆を理解するうえで最初の面白いポイントです。

なぜ日付がバラバラなのか

お盆と聞くと、多くの人は「8月13日から16日」を思い浮かべますよね。でも実はこれ、「月遅れ盆」と呼ばれるものです。もともとの旧暦7月15日を新暦にそのまま当てはめると、季節がずれてしまう。だから1か月遅らせて、8月にお盆を行うようになった地域が多いのです。
一方で、東京の一部や函館などでは、今でも新暦7月13日から16日に行う「新盆」の地域もあります。沖縄では旧暦にこだわって、毎年日付が変わる「旧盆」を今も守り続けています。
同じ日本なのに、住んでいる場所によってお盆の時期がまるで違う。地図で見ると、かなり興味深い模様になります。農業や漁業のスケジュールと関係していたり、明治の改暦がどう地域に浸透したかの名残だったり。ひとつの行事の中に、日本の暮らしの歴史がそのまま詰まっているような感じがしますね。

迎え火・送り火は「道しるべ」だった

お盆の初日に、家の前で麻の茎(おがら)を焚く「迎え火」。そして最終日に焚く「送り火」。ただの儀式のように見えて、意味を知ると急に腑に落ちます。
迎え火は、ご先祖様の霊が迷わずに家まで帰ってくるための、いわば道しるべです。火の煙に乗って、あの世からこの世へ帰ってくると考えられています。そして送り火は、その霊が無事にまたあの世へ戻れるように、道を照らしてあげる意味を持っています。
京都の「五山送り火」、あの「大」の字が山に浮かぶ光景は、まさにこの送り火の考え方を街全体でやっているようなものです。あれだけ大きな規模で行う理由も、たくさんの霊を一度に見送るためだと思うと、少し感慨深いものがありますね。

精霊馬に込められた、素朴だけど深い願い

お盆の飾りでよく見かける、きゅうりとなすに割り箸を刺して作る動物のようなもの。これは「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれています。
きゅうりは馬、なすは牛。それぞれに意味があって、馬は「早く帰ってきてほしい」という願いを込めて、なすの牛は「ゆっくり、たくさんのお供え物を持って帰ってほしい」という願いを込めて作られるとされています。
来るときは速く、帰るときはゆっくり。この対比、なんだか人間らしい優しさを感じませんか。せっかく帰ってきてくれた家族を、少しでも長く引き留めておきたい。そんな気持ちが、きゅうりとなすという身近な野菜に込められているのが、素朴でいいなと思います。

地域ごとの、あまり知られていない風習

お盆には、地域独自の風習もたくさんあります。
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例えば長崎の「精霊流し」。爆竹の音が鳴り響く中、大きな船の形をした「精霊船」を担いで街を歩き、海や川に送り出す。もともとは精霊(しょうりょう)を弔うための行事でしたが、今ではお祭りのような賑わいを見せています。初めて見た人は「これがお盆の行事なの?」と驚くようです。
徳島の阿波踊りも、もとはお盆の霊を慰める盆踊りから発展したという説があります。踊り自体に「先祖の霊を供養する」という宗教的な意味合いがあったという説は、今ではあまり知られていないかもしれません。諸説あるようですが、少なくとも夏祭りとお盆が近い場所で育ってきたことは間違いなさそうです。
沖縄の「エイサー」も、一説には念仏踊りが起源で、お盆に先祖の霊を送るための踊りだったと言われています。今は観光の目玉にもなっていますが、根っこにはやはり「先祖を敬う」という同じ想いがあるとされています。
こうして見ていくと、日本各地の夏祭りの多くが、実はお盆と静かにつながっているんですよね。

お盆とお中元は、似ているけれど違うもの

ちなみに、少し前の季節にあった「お中元」と、お盆はよく混同されがちです。お中元はもともと、お盆に先祖へお供え物をする風習から生まれたとされていて、確かにルーツは近い。けれど今では、お中元は日頃お世話になっている方への感謝を伝える夏の贈答文化として独立していて、お盆とは別の行事として定着しています。
似ているようで違う。日本の年中行事には、こういう「枝分かれ」がけっこう多いものです。

帰れない人にとってのお盆

お盆というと「実家に帰れるかどうか」がまず頭に浮かびますが、そもそも帰ること自体が難しい人たちもいますよね。留学や仕事で海外に暮らしている家族、あるいは国際結婚でパートナーが遠く離れた国にいる人。お盆の時期になると、遠く離れているぶん、かえって「今ごろ実家では迎え火を焚いているんだろうな」と思い出す。そんな話を、私は何人かから聞いたことがあります。
帰れないなら、せめて気持ちだけでも届けたい。そう思ったとき、海外にいる家族にプレゼントを贈るという選択肢が浮かびます。最近は海外ギフトカードの送り方もずいぶん簡単になっていて、たとえばアメリカにギフトカードを送るのも、スマートフォンひとつで数分あれば完了する時代です。留学生の子どもへの仕送りに、生活費の足しになるギフトカードを選ぶ親御さんもいますし、国際カップルであれば、離れて暮らすパートナーの誕生日や記念日に、現地で使えるギフトカードを贈るという形もすっかり定着してきました。海外送金や海外向けギフトの手段は年々増えていて、その中のひとつにソーダギフトのようなサービスもあります。
何かを送るというよりも、「今年も気にかけているよ」という一言を、形にして届けるようなものかもしれません。お盆という行事の本質も、実はそこにあるのだと思います。離れていても、想っている人のことを、年に一度きちんと思い出す。そのための仕組みが、迎え火であり、精霊馬であり、遠く離れた家族への一通の連絡だったりするのでしょう。

おわりに

お盆というと、どうしても「休みが取れるかどうか」「実家に帰れるかどうか」といった、現実的なことばかり考えてしまいがちです。私自身も、正直そうでした。
けれど、こうして由来や風習を掘っていくと、迎え火の一本の煙にも、精霊馬の小さな野菜細工にも、誰かを想う気持ちがずっと昔から込められていたことに気づきます。
2026年のお盆は8月13日から16日ごろ。もし少し時間ができたら、いつもの供養や墓参りの合間に、「これはどういう意味なんだろう」と、ひとつだけ調べてみるのも面白いかもしれません。そして、もし今年帰れない人が身近にいるなら、ふと連絡してみる、あるいは小さなギフトをひとつ用意してみる。それだけでも、お盆という行事の本質と、きちんと重なっているように思います。