お盆に帰省できない年、私はアメリカの娘に何を贈るか考えた

notion image

2026年のお盆、娘は帰ってこない。だからお盆そのものを、あらためて調べてみました

*公開日: 2026年7月23日*
2026年も、もうすぐお盆です。8月13日から16日。カレンダーにその文字を見つけるたびに、少し胸がざわつきます。
うちの娘はいま、アメリカで大学生活を送っていて、今年のお盆も帰ってきません。去年もそうでした。学期の合間がうまく合わなくて、飛行機のチケットも高くて。「また来年ね」と娘は笑っていましたが、私は少しだけ寂しかった。
そういえば、娘とビデオ通話をしていたときに、ふと思ったんです。私、お盆のことをちゃんと説明できるだろうか、と。毎年当たり前のように迎え火を焚いて、お墓参りをしてきたけれど、そもそもお盆って、何のための行事だったんだろう。今年は帰れない年だからこそ、少し立ち止まって調べてみることにしました。

お盆の由来、実は仏教の教えから来ている

notion image
お盆の正式な名前は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」というそうです。お釈迦様の弟子のひとりが、亡くなった母親を救うために供養をした、というお話が起源だと言われています。
そこから、ご先祖様の霊を家に迎え、感謝を伝えて、また送り出す。そういう行事として、日本のあちこちに根づいていったのですね。
私が子どもの頃、祖母の家では玄関先で「迎え火」を焚いていました。麻の茎を燃やして、その煙に乗ってご先祖様が帰ってくる、と教わったのを覚えています。当時はよくわからないまま、なんとなく神妙な顔をしていただけでしたけれど。

きゅうりの馬と、なすの牛

お盆といえば、きゅうりとなすで作る「精霊馬(しょうりょううま)」も、けっこう有名ですよね。きゅうりは足の速い馬に見立てて、ご先祖様が早く家に帰ってこられるように。なすは足の遅い牛に見立てて、あの世へはゆっくり戻っていただくように。
このかわいらしい発想、調べてみるまで意味を知りませんでした。ただの飾りだと思っていたものに、ちゃんと「早く来てほしい、でもゆっくり帰ってほしい」という気持ちが込められていたんですね。
そして地域によっても、お盆の時期や過ごし方はかなり違います。東京など一部の地域では7月にお盆をするところもあれば、関西や地方の多くは8月。盆踊りも、もともとは念仏踊りから発展したもので、ご先祖様の霊を慰めるための踊りだったと言われています。私たちがイメージする夏祭りの華やかさとは、少し違う出発点があったのだと知って、なんだか意外でした。

送り火が消えるまでの、あの静かな時間

お盆の最後には「送り火」を焚いて、ご先祖様をあの世へ送り出します。京都の五山送り火のような大きな行事もあれば、私の実家のように、玄関先でひっそりと焚くだけのところもあります。
notion image
祖母が亡くなったあと、初めて迎えたお盆のことを思い出します。火が消えていくのを、家族みんなで黙って見ていました。誰も何も言わなかったけれど、あの数分間だけは、たしかに祖母のことを考えていたと思います。
お盆というのは、ご先祖様のための行事であると同時に、生きている家族が集まって、お互いの顔を見る機会でもあったんですね。帰省ラッシュも、お墓参りも、結局は「今、離れて暮らしている人たちが、一度ちゃんと顔を合わせる」ための仕組みだったのかもしれません。

会えない年だからこそ、意味を思い出す

そう考えると、娘が帰ってこられない今年のお盆は、ちょっと寂しいものになりそうです。でも、お盆の本質が「離れている人のことを思う時間」なのだとしたら、物理的に会えなくても、その気持ちだけは持てるはずだと思うんです。
娘はいまアメリカで、慣れない新学期を迎えようとしています。お盆の時期は、ちょうど向こうの新学期が始まる頃とも重なるので、私は今年、迎え火を焚きながら娘のことを考えて、少し離れた場所からエールを送るつもりです。
実際、去年はアメリカのスターバックスのギフトカードを送りました。海外にいる家族にプレゼントを届けるときは、その人が暮らしている国で使えるものを選ぶのが基本だと、去年になってようやく気づいたくらいです。アメリカにギフトカードを送る方法としては、オンラインでコードを送れる仕組みも増えていて、海外向けギフトの選択肢のひとつにソーダギフトのようなサービスもあると知りました。

小さな一歩として

今年のお盆、離れて暮らす家族と一緒に過ごせない方も多いと思います。そんなとき、無理に会おうとするより、まずはお盆そのものの意味を思い出してみるのもいいかもしれません。
ご先祖様を迎え、感謝を伝え、また送り出す。その根っこにあるのは、離れている人を思う気持ちだったのだと思います。会えなくても、その気持ちだけは、ちゃんと届けられる。
今年の迎え火は、娘のことを考えながら焚こうと思っています。